なんで日本のWi-Fiルーターは海外で使えないの?

日本に限らず、主要な都市では無料のWi-Fiスポットが張り巡らされています。
しかし、日本で使っていたルーターを海外に持って行っても、渡航先で使えるとは限りません。
また、海外製ルーターの持ち込み自体が禁じられている国もあります。
しかし各社が出している機器には、アメリカや台湾など使える国を記載しているものもあります。
使える国と使えない国があるのはどこが違うのでしょうか?

まずWi-Fiというものは無線での情報のやり取りを行う規格の事を指します。この規格は、手元の「表示する為の機器」と「Wi-Fiのアンテナ」とのやり取りなので、公共スポットでもWi-Fiの表記があれば利用する事ができます。
そして「Wi-Fiのアンテナ」とはルーターなどの機器にあたり、そこから世界に広がるネットワークに接続するためには、法律で定められた周波数の範囲などを守らなければなりません。
国内で販売やレンタルされているモバイルルーターには、すでに国内業者と契約し登録も済んでいる為、これらを気にする事なくすぐに使えます。

●日本での電波法にあたる法律が定められている国の例

・アメリカ
米国連邦通信委員会:アメリカやニュージーランド、オーストラリアなど

・ヨーロッパ:欧州通信規格協会
ヨーロッパ、中東、アフリカなど

・日本:財団法人テレコムエンジニアリングセンター他、総務大臣が認定した団体など
2.4GHz帯の一部は屋内などの制限あり、5GHz帯は独自(現在の世界標準になりつつあります)

・シンガポール
2.4GHz帯はヨーロッパと同じ、5GHz帯は独自

・台湾
2.4GHz帯はアメリカと同じ、5GHz帯は独自

●海外で使用する際は無線機器の免許や登録に注意
ルーターを海外へ持ち出す予定がある場合、あらかじめ渡航先がどこまで許可しているか調べる必要があります。日本では無線通信の免許無しで扱える範囲が2.4GHz帯と5GHz帯になり、この周波数を越えて使用すると法律違反となります。海外でも通信で使用できる周波数や通信方法などが定めされており、無線機器の登録が義務になっている国もあります。

●ルーターって必要?
もし渡航先に公共Wi-Fiがあり、どこにいてもいつでも無料で接続できるならそこまでルーターは必要ではありません。
Wi-Fiがホテルの一部やレストラン、カフェでしか繋がらない国も多くあります。郊外を車で走る場合などは公共スポット自体無いかもしれません。
また、公共Wi-Fiは多人数が同時に使用する為回線速度はあまり速くなく、混みあっている場合がほとんどです。

日本では携帯事業者がWi-Fi網も提供している事が多く、駅や地下鉄でも繋がる場所が増えています。
しかし、携帯事業者の回線では、7GBを越える通信に制限がかかりとても映像や写真などの画像を見られないような速度になってしまいます。
動画を見たり、映像付きの通話をしたいといった用途であれば、1台持っておくと暇つぶしにもお財布にも優しいネット環境ができあがります。